後輩をかばった日から休職と退職まで
後輩をかばったことをきっかけに、私自身が職場で嫌がらせを受けるようになりました。うつ病と診断されるまでに約5年。そこから、仕事に行けなくなるまでに、さらに約5年がたっていました。

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後輩をかばったことがきっかけで
職場には、人の仕事の粗を探しては文句を言い、そのことを周囲にも言いふらす人がいました。私には、いじめを楽しんでいるようにさえ見えました。
ひどいと思いながらも、やり方が巧妙で、なかなか口を挟めませんでした。せめて、標的にされた人には自分なりに励ましの声をかけていました。新人がすぐに辞めていき、人の入れ替わりも激しい職場でした。
あるとき、多くの人が入れ替わったあと、またいじめが始まりました。その人が、私に「あいつら死ねばいいのに」と言ったのです。さすがに言い過ぎではないかと、私は言い返しました。
それが気に入らなかったのかもしれません。その日を境に、今度は私が標的になりました。
私に向けられた嫌がらせ
小さなことまで粗を探され、文句をつけられるようになりました。上司に告げ口をされることもありました。日に日にひどくなり、一日中、監視されているような気分でした。
それが5年ほど続くうちに、以前ならできていた仕事がうまくできなくなり、時間もかかるようになりました。吐き気やだるさが続き、体重は20キロも減りました。
以前、いじめられていた人たちからも助けはありませんでした。自分に矛先が向くのを恐れていたのかもしれません。私には、誰も助けてくれないと感じられました。
日記を読んで気づいた心身の異変
そのころの私は、自分がうつ病だとは思ってもいませんでした。それでも、何かがおかしい。同じような症状の人はいないかと、インターネットで調べました。
そこで見つけたのが、うつ病で悩んでいる方の日記でした。書かれていた症状が、自分とよく似ていたのです。日記をきっかけに、自宅の近くの心療内科を探して受診し、うつ病と診断されました。
薬もたくさん処方されました。抵抗があり、最初のうちは飲んだり、飲まなかったりしていました。後になって、薬の飲み方は自己判断で変えず、医師に相談することが大切だと知りました。
その後は主治医と、合う薬、合わない薬について相談を重ねました。今は、ようやく自分に合う薬に出会えたように感じています。ただ、私の場合は薬が合っていても、周りの環境によって体調が悪くなることがありました。外からは普段どおりに見えていても、気づいたときには悪化していたこともありました。
体が動かなくなった日
うつ病とわかってからも、嫌がらせは続きました。症状も次第に重くなり、仕事が思うようにできなくなっていきました。
そして、ある日、仕事に行こうとしても体が動かなくなりました。嫌がらせが始まってから約10年がたっていました。
パニックになった私は、会社へ電話をかけ、「もう辞めます」と伝えたようです。

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主治医に勧められた休職
その2日後くらいに、ちょうど予約していた診察がありました。主治医にそれまでの経過と、会社に辞めると伝えたことを話しました。
主治医は、今すぐ会社を辞める必要はないと話してくれました。電話で伝えてしまったことが不安でしたが、繰り返し大丈夫だと言ってくれました。そして、体調が戻るまでじっくり休み、休職届を出すよう勧められました。
その後、会社から電話がありました。辞めるのなら早くしてもらわないと、次の人を決められず困る、という内容でした。私は主治医に言われたことを、そのまま伝えました。相手は黙ったあと、わかったと言って電話を切りました。
そこからは、寝たり起きたりして過ごしました。気分のいいときだけ、インターネットを見ていました。
支えになった体験談と専門家への相談
休んでいる間、助けになったのは、同じような症状を経験した方たちの日記でした。休職中の過ごし方や、その後の手続きについて書かれた体験談を、調子のいい日に読むのが日課になりました。
そうして調べるうちに、社会保険労務士の事務所が出していた、障害年金についての情報を見つけました。仕事を辞めたら生活はどうなるのか。不安が大きかった私は、関連する情報を何度も探しました。
数か月たち、体調のよいときを見計らって、障害年金を扱う社労士事務所に電話をしました。そして、書類の作成をお願いしました。自分で手続きをする方もいると知りましたが、私は専門家にお願いするのがよいと考えました。

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退職を選ぶまで
もう一つ考えなければならなかったのが、会社をどうするかということでした。
部署が変わることで働き続けられたという体験談も読みました。でも、私の会社では部署を変わることができませんでした。同じ人と、また一緒に働くことはできないと感じていました。
主治医からは、慣れた会社なのだから、じっくり治療してから戻ることも考えられると話がありました。それでも私は、この職場で働き続けるのは難しいと考え、退職することにしました。
退職の事情を書面で伝える
退職を決めてからは、辞め方と、その後の生活について調べました。退職の理由を、どう伝え、記録してもらうかが気がかりでした。
私の場合、会社都合にはしてもらえませんでした。ただ、辞める原因として、うつ病と職場の人間関係について記載してもらいました。人と話すことが難しかったため、事情を書面にして会社に見てもらいました。
その後、ハローワークで手続きをし、私の場合は330日分の失業給付を受給できました。生活の見通しが立ったことで、精神的にもずいぶん落ち着くことができました。
(続く)
続編:働きたい気持ちと動かない体。障害年金を考え、社労士に相談するまで
読者の方へ
本文は個人の体験です。治療や薬については主治医にご相談ください。障害年金や失業給付の要件、給付日数などは個々の状況によって異なります。ご自身の場合については、年金事務所やハローワークなどの窓口でご確認ください。
参考情報 厚生労働省 うつ病の治療と予後
挿絵はイメージであり、実際の人物や場面を再現したものではありません。
