
それから二、三か月後、障害年金二級の受給が決まりました。
正直、ほっとしました。
もちろん、年金が決まったからといって、うつ病が治るわけではありません。それでも、生活の不安が少し軽くなると、気持ちにもいくらか余裕が生まれるんですね。ようやく、これからのことを考えられる気がしました。
さて、ここまでは少し駆け足でお話ししてきました。でも、その間にも、いろいろな出来事があったんです。
これからは、その体験も交えながら、ぼちぼちお話ししていこうと思います。
「ぼちぼち」というのには、訳があります。思い出す順番が、出来事の順番どおりとは限らないからです。書いている途中で、「そういえば、あんなこともあったな」と、話が前後することもあると思います。
そのあたりは、どうか気楽にお付き合いください。
私が困ったことや、あとになって気づいたことが、いま同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。「自分の場合はどうだろう」と、一緒に答え合わせをするような気持ちで読んでいただけたらと思います。

最初に訪ねたのは、公的な障害者の就労相談窓口でした。仕事の紹介だけでなく、簡単な職業訓練も受けられると聞いていたんです。
働きたい気持ちはありました。でも、「いまの自分に、本当に働けるのだろうか」という不安もありました。
担当の職員さんにも、そんな迷いが伝わったのでしょうか。紹介されたのは就職先ではなく、リワークプログラムを行う施設でした。復職などに向けて、心身の調子を整えていくための場所です。
まだ就職するには早いと思われたのかもしれませんね。当時は少し戸惑いましたが、結果として、この紹介にずいぶん助けられました。

そこは、私にとって「うつ病と向き合うための学校」のような場所でした。
国家資格を持つ専門職の方がいて、職員さんたちも熱心でした。講義の中には、精神分析家フロイトの論文を学ぶ時間まであったんですよ。
「フロイトの論文」と聞くと、ちょっと身構えませんか。
私も、すべてを理解できたとは言えません。それでも、自分の心や病気について、これまでとは違う角度から考えるきっかけになりました。
そして、何よりありがたかったのは、体調が悪くなったら相談できることでした。
うつ病には、調子のよい日もあれば、思うように動けない日もあります。通う場所ができたからといって、毎日元気に過ごせるわけではないんですよね。
でも、そこでは無理に元気なふりをしなくてもよかった。その安心感が、私には大きかったのだと思います。
いろいろな経験をしながら通い続けるうちに、体調はかなりよくなりました。
毎日、はっきりと回復を感じていたわけではありません。ただ、振り返ってみると、「そういえば、前より楽になっているな」と思えたんです。
仕事を探そうとして訪ねた窓口から、まずは自分の調子を整える場所につながった。遠回りに見えたあの時間も、私には必要だったのかもしれません。
※個人の体験です。イラストはAIで制作したイメージで、実在の人物・施設を描いたものではありません。

